列車に乗ったのは、いつだったろう。
思い出せないくらい、昔のことになります。
いつもは、一関までは自家用車で行っているので、
列車に乗るということは、本当に久しいことでした。
しかし、今回乗って見て、
たまには列車もいいなあと思いました。
車を運転しながら見る景色と、
列車の車窓から見える景色は、まったく違っていました。
車窓からの景色は、ときおり木々に隠れる道や、
今にもせせらぎが聞こえてきそうな小川、田や畑、
家々、通学や通勤で行き交う人や車、
色づき始めた木々の葉が、朝日に照らされて
鮮やかな輝きをはなっている。
通り過ぎ行く景色は、飽きることがありませんでした。
わたしは、列車や新幹線などに乗るときに
いつもの思うのです。
この車両の中に多くの人が乗車している。
まったく見ず知らずの人と、同じ空間を共有している。
そして、おそらく一期一会の人たちだろう。
こうして、同じ車両に乗り合わせていることに、
なにか意味があるのではないか。
だから、一言でもいいから言葉を交わしたい。
そう思うのです。
帰りの新幹線で、50代前半かと思しき女性が隣になりました。
この方に声をかけてみました。
「どちらまで行かれるのですか」
「仙台です。」
これをきっかけに、この女性は、
小さい頃仙台の広瀬側のほとりで遊んでいたこと。
三陸沿岸をドライブして、わたしの住んでいる町のことや、
近隣のことをよく知っていました。
この方に、おそらく二度とお会いすることはないと思います。
話しかけてよかったと思いました。
今回は、ここまでとします。